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今、自分にできること

東京パラリンピックを目指すパラスイマー 富田宇宙のブログです。アスリート生活を綴ってます。

馬場村塾 第13夜

本日はアクセシビリティの勉強会「馬場村塾」に参加しました。
この会は視覚障害当事者が中心の勉強会で、アクセシビリティを中心に、自由なテーマでプレゼンが行われ、意見を交わします。

今回のプレゼンターは昨年、自宅が火災に見舞われたというFさん。
ご自身の体験から得た教訓、現在の大変な状況を踏まえて、火災と介護についてお話ししてくださいました。


◆近況報告タイム
・・・とまずはお話の前に参加者相互の近況報告。
今回は20名弱いらっしゃったかと思います。広い室内もだんだんと埋まってきて、会の盛り上がりを感じました。

近況報告できになったのはH先生がお話になったヘレンケラースマホ
視覚も聴覚もない朦朧の方が使用できる、触覚で操作するスマホとのこと。
これはすごいです・・・詳細はこちら。

https://www.youtube.com/watch?v=xyKORQ9i5vc

こういったデバイスが普及すれば、健常者のインターフェースにも変化を起こせそうです。非常に意義のある開発プロジェクトだと感じました。

もう一方、気になったのはジャズの演奏をされているSさん。
サックスを演奏するライブが4/30、5/10、5/17に行われるそうです。(詳細はとりそびれました)
視覚障害で音楽家をされている方の存在は知っていましたが、JAZZミュージシャンがいらっしゃったとは。
後日連絡をとってぜひぜひ足を運ぼうと思います♪


◆Fさんのプレゼンテーション
一通り自己紹介がすむと、いよいよFさんのお話へ。
Fさんは弱視で、小学校までは普通学校、中学から盲学校に進まれたそうです。
盲学校の高等部を卒業されてから現在の職場に就職し、ずっと働かれているそうです。
今回は昨年経験された火災と、ご両親の介護の状況について、赤裸々に語ってくださいました。
個人のプライバシーに関わることなので、あまり詳しいことは書きませんが、ご自分が弱視でおられるにも関わらず、認知症のお母様と、火災で火傷を負ったお父様のお世話をしてらっしゃいます。
お話をうかがっただけで、大変な苦労をされていることが伝わってきました。
火災やさまざまな制度への申請などで、大量の書類が必要になるものの、ご自身も弱視でおられるので記入を手伝っていただく必要があり、役所にも何度となく足を運び、職員の協力を得てなんとかやっているということでした。

●視覚障碍者の書類申請
参加者からは、視覚障害者の書類申請の煩わしさについて、積極的な意見が交わされました。
視覚障害者であることを伝えているにも関わらず、手書きの書類の作成を強引に求められ、何時間もかけて手続きをしたという方もいらっしゃいました。
最近では電子サインなどや生体認証が普及している企業もある反面、未だに手書きの書類を断固要求される場合もあります。
また、ほとんどの書類では点字は認められません。
技術の普及と合理的配慮を要求する必要がある、というのが多くの参加者の共通認識でした。

マイナンバーの活用
これは私個人の意見ですが、最近導入されたマイナンバー制度を利用して、本人に必要な配慮の内容を公的なデータベースで日もづけておくことで、さまざまな手続きの際に共通の配慮が受けられるシステムが整備されれば、問題が解決するのではないのでしょうか。
「この人は手書きが難しいので、こういう手順で代筆で手続きしましょう。」とか、
「この人は点字を使用されているのでサインは点字でもOK。」とか。
もちろん、自身が障碍者であるという情報がマイナンバーに日もづけられるのはプライバシーの保護上好ましくないと考える当事者もいらっしゃると思うので、柔軟性は必要ですが・・・

書類に限らず、たとえば私も航空機を利用する際、航空会社毎に毎度同じお願いをして、座席への誘導や、手荷物の回収などをお願いします。
しかし実際はどこの航空会社に対してもお願いしたい内容は基本的に同じなので、航空会社側で共通の情報源から必要な対応を引き出せる仕組みがあれば、利用者にも航空会社にも負担が少なくて済むはずです。
マイナンバーの存在によって、技術的には実現可能なことなので、検討いただけるよう働きかけていきたいと思います。
実際はどこかでもう検討されてるかも??


◆各種制度について
また、Fさんは火災に遭った際に利用した、高額医療費が免除される制度の話や、住宅の損害賠償を求められた件についてもお話され、参加者の間で、困窮との向き合い方についても情報交換が行われました。

介護についてのお話では、介護認定においては介護者の状況についても考慮されるべきではないか、という意見が出ました。
Fさんのように、介護する側が障害をお持ちの場合もあります。そうなると、健常の方が介護を行うのとは、負担が全然違います。
しかし介護認定はあくまで介護が必要な本人の医学的検査結果に基づいて判断されるため、実際に必要な手当てが受けられず、生活が困難なものになってしまいます。
このあたりも、合理的配慮要求によって、制度の変革が求められる部分ではないでしょうか。
介護する側の状況によって等級に差を出すとか。基準がかなり複雑になるかもしれませんが・・・


◆賃貸契約について
Fさんは火災によって引っ越しを余儀なくされたそうですが、引っ越し先を見つけるのにも苦労されたそうです。
私も、障害を持っていて、しかも将来が不安定なアスリートを仕事にしているということで、賃貸を探す際に断られたこともありました。
まして、自身が障害を持っていて、高齢のご両親を連れての賃貸契約が難しいことは、想像に難くありません。
大家さんの立場からすれば、障害のある方が家を借りるというのは、第一印象だけで敬遠しがちなのかもしれませんが、生活能力や収入がピンキリなのは健常者も障害者も同じことです。
そのため、しっかりと本人の状況を確認して判断していただきたいですね。


◆とにかく予防が大事!
最後にFさんから参加者へ強く主張されていたのは、認知症も火災も予防することが重要であるということです。
認知症は近年、糖尿病との関連性が叫ばれています。コレステロール値が高くなって血流が悪くなると当然脳にも悪影響であり、認知症を発症、加速させる可能性が高くなります。
仕事をしながら日々の健康管理をすることは大変ですが、食生活に気を付けて運動を心がけましょうということでした。
また、認知症は早期に発見された場合、症状が改善したり進行を遅らせられる可能性があります。
健康診断感覚で積極的に脳神経外科認知症外来を受信することが望ましいとのことです。
親御さんに対しても、「認知症の検査に行こう」というといやがられてしまうかもしれないので、「健康診断に行こう♪」ということで。

火災については、Fさんの場合、家電製品のコンセント部分に誇りが蓄積したことによる漏電が原因でした。
参加者の間でも、普段全く気にしていなかったという声が多く聞かれ、年に1度でもいいので、普段手の届かない家電裏の掃除もきちんとやりましょうと注意喚起しました。
さらに万が一火事になってしまった場合、絶対に無理をして火を消そうとか、広がりを防ごうとか素人考えで行動してはいけないということでした。
とにかくまずは119!!

★震災でも家電から火災の可能性も?
私はこのお話を聞いて、現在被災している実家のことを思い出し、家屋のダメージだけでなく、目に見えない家電へのダメージ、復興後の家電からのトラブルの可能性にふと気づき、住宅の件さだけでなく、使用し続ける家電についても検査をしていただく必要があると思い至りました。
有識者からすれば当然のリスクなのかもしれませんが、私は全く認識していませんでした。
早速実家に連絡し、ひとまず目につくところだけでも異常がないかきちんと確認してから家電を使用するようお願いしました。


◆当事者の力を集結しましょう
質疑応答の時間で出た話題です。
4月1日から障害者差別解消法が施行され、東京でも障碍者のパレードが行われましたが、数百人の参加者の中で、白い杖を持った視覚障碍者はほんの数人だったそうです。ま
また、視覚障碍者の団体というのは、日本中にかなりの数があり、統率されていない状況だそうです。
これから法律を生かしてよりよい生活を得るために、当事者が力を合わせて行動していく必要がありますね。
法律ができたところで、それを広めて訴えていかなければ形だけのものになってしまいます。
困っている人が一人でも少なくなるように協力して行動していきましょう。


◆素敵なフルートの演奏♪
最後にFさんがフルートの演奏を聞かせてくださいました。春ということで「さくら(独唱)」(だったと思います)。
大変な毎日の中でも、唯一の楽しみとして毎週お教室に通われているそうです。
素敵な音色に心が和みました。

 

以上、本日も大変勉強になりました。ありがとうございました!